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高強度コンクリート(36N/mm2)が必要な訳! [住宅工事]

建物が高くなった(階数が増えた)からだよ!

36Nをキログラムに換算すると約3.6キログラムになります(仮に1m角の柱だと3600トン位の重さに耐えることを意味します)

今のところ必要ないと思われますが、10N=1キログラムと知ってて損はしない!

でも、これ説明すんの難しいんだよね・・・

だで、マンション(鉄筋コンクリート構造)の平面図を使って説明します。

20191026.jpg


よくありそうなマンションの間取りです。緑色の部分(2倍・隣の部屋もあるもんで)が一本の柱が負担する面積です。

細かい寸法は無視するとして、専有面積(都合上)が100m2とするとその半分の床面積を一本の柱を負担することになります←一本の柱が負担する面積=50m2

通常、鉄筋コンクリート造のマンションは1m2当たりの重量が1100キログラム位が相場です。

となると、1フロア当たりの負担重量は 50m2 X 1100キログラム は55トンになるんです。これが重たいか軽いかは想像に任せますね(笑)

この計算をすればその階の柱が負担する重量が解ります。そう、その柱より上の階数 X 55トンすればいいんだよ!

仮に15階建ての2階部分はどうなるかといえば 55トン X 14 = 770トンになります。

ここでもう一度図面を見てもらいます。

20191026.jpg


柱の寸法は900mm X 750mm = 675000mm2になってますね

1m角で3600トンなんで、それの0.675が耐えれる重量になります。

なんで、3600トン X 0.675 = 2430トンまで耐えれるんかい!となるんですが

ちょと待った!

※通常時(地震等じゃない時、構造計算では長期という)は、コンクリート強度の1/3までにしなさいという条件があるんだよ?技術者の方は知ってますよね???

だもんで、2430トンの1/3 約800トンまでしか耐えれないんです(残念)

なんで、15階建ての2階部分で 770トン < 800トン ギリギリセーフ(^^♪

というのが、種明かしになります(36Nより強いコンクリートもあります。36N以上を高強度コンクリートと云います)

こういう理論を使って、日々、構造技術者の方が設計しているんだよ(^^♪


でも、ここで{あれ!?」って思って欲しいんですよ僕は!

鉄骨の方が軽くなるんじゃないのかって?

あべのハルカスも鉄骨造、地上(通常の鉄骨増で床面積1m2当たり、900キログラム位が相場)だし・・・

正解は住戸間の対騒音性能が鉄筋コンクリートの方が優れているからなんです。

騒音に関していえば「重い方(質量)が有利」(建築検定にも出てくるよ!)

だから、コンクリート構造になるんです。そして管理がまた大変!なんだよね

まぁ~これ知ってどうなんのというより、こんなコンクリートもあるんだと思っていただければOKです。

ただ、作れる=安全=揺れない、ではないことを知っていて欲しい

タワーマンションの最上階は地震時にメチャ揺れます(構造的には揺れてもらわんと困るんだけど、これは、またの機会に書いてみます)これは知っていて欲しいです。この揺れても良い範囲を層間変形角といい高さの1/200まで揺れても良いとされいます(100mの高さだと0.5mまでOKという意味)こんなに揺れるんよ、あの硬い建物が!

これで、僕が前々回(コンクリートにおしっこをかけたらどうなる?「基礎工事の注意点」)で書いた「コンクリート工事をとても大切」にする理由が解っていただけたと思います。

そして、コンクリートは強度が上がればセメントの量が増えます。ただ、比例して施工が難しくなる(専門用語でワーカビリティーが下がるという)ことを知っておいて欲しいです。

だもんで、強度が出るからとむやみやたらに打設コンクリートの強度を上げることは良くないし、その強度を過信しすぎるのも良くないと僕は思います。

また、施工難度が上がれば(当然、鉄筋の量も増えるし、太くなりコンクリートのまわりが悪くなるもんで)

「コンクリートの打設に時間がかかります」

高い階にコンクリートを上げるないといけないんで、当然ですよね!



そして、

コンクリートが送るための配管との摩擦で温度が上がること

これ知らない人が多いと思います。なんで?それは超高層の建物を施工できるのはほんの一握りの人間なんだからです(僕も施工は45mまでしかない、設計は100mまであるけど(^^♪)

話しを戻しますが、ただでさえ、多量のセメント量で発熱が増えるのにそれに追い打ちをかけるように熱くなるんです。

だから、コンクリートの試験はコンクリートポンプ車が送り切った筒先(施工箇所)でやるのが正解なんだよ!
(これ施工管理技士の試験に出るハズ)

だで、僕のブログタイトルにある通り「知らないより知ってる方がGOOD!」なんです。

それを行使するしないが、頭の中にあれば良いのではないのかと日々思っています。

「知らぬは一時の恥、知らぬは一生の恥」僕の好きな言葉

「建設会社に勤めながら、建築の事を知らないと平気で言う人」僕は嫌いです。
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